動作分析から評価・治療を展開する①
はじめに
皆さんは動作分析は得意ですか?
学生の頃の臨床実習で「動作分析ができません」と言われて,動作分析に苦手意識を持っているセラピストの方は多いんじゃないでしょうか?
私もその一人で症例レポートなんて赤だらけでした・・・
そもそも動作分析の必要性って何なんでしょうか?
動作分析ができたら何がいいんでしょうか?
このnoteを読むと,
● 動作のバイオメカニクスを勉強する理由がわかる
● 動作分析のコツがつかめる
● 動作分析から評価・治療を考えることができる
今回から2回に分けて「理学療法における動作分析の位置づけ」について私なりにお話していきます.
「動作のバイオメカニクス」を勉強するメリット
担当になった患者さんを治したい!と勉強に励む方が多いですよね.
この業界には色んな理論や手技があります.
私も新人の頃は「この手技を勉強したい!」と思ってましたし,多くの方も新人時代はそうだったんじゃないでしょうか?
しかし,最初に入職した老人保健施設・デイサービスでの経験をきっかけにそうじゃないな,・・・と思いました.
老健やデイサービスでのリハビリテーションの時間ってかなり短いんです.
その短くて限られた時間の中で効果を出さないといけない.
「利用者さんの動作のどこに問題があるのか?」を短時間で整理できないと効果が出せないんですよね.
つまり精度の高い動作分析ができるようになれば短時間でリハビリの効果が得られるじゃないか!
そう思って,手技や理論よりも動作分析ができるための「動作のバイオメカニクス」に重きを置いて勉強をし始めました.
「動作のバイオメカニクス」を理解することは,治療効果を高める一番の近道だと言えます.
リハビリテーションのゴール達成のためには・・・
患者さんが来たら自宅に退院するためのゴールを設定します.
そして多くの場合,ゴールの内容は
杖歩行自立,トイレ動作の自立,更衣動作の自立,・・・
といったように「ある動作レベルの獲得」じゃないでしょうか.
そうなると「その動作がなぜできないのか?」「自立になるためには何が必要か?」を考えられる力が必要です.
立てないから立つ練習
歩けないから歩く練習,・・・
そんなリハビリは素人でもできますよね.
重要なことは,ゴール達成に必要な動作を分析して関節可動域制限や筋力低下,バランス障害など機能レベルの問題点を同定することです.
そのため,動作分析はリハビリの治療方針ともいえます.
これができるようになるためには「動作のバイオメカニクス」を理解する他に方法はありません.
おわりに
ここまで読んで,リハビリテーションのゴール達成のためには動作分析が必要不可欠だということがお分かり頂けたのではないでしょうか?
次回は動作分析の方法ついて詳細にお話していきたいと思います.