なんちゃってPTになるな!
はじめに
学生時代,養成校の先生から「なんちゃってPT」にならないようにね~と
指導されていました.
この言葉のもとを調べてみると,養成校の先生オリジナルではなくて,日本理学療法士協会の会長のお言葉だったんですね…
元々は「なんちゃってリハビリ」ということでしたが,
今回は「なんちゃってPTになるな!」について考えていきます.
「なんちゃってPT」とは?
協会の会長の言う「なんちゃってリハビリ」とは何なんでしょうか?
2013年発行のJPTA NEWSによると,
「なんちゃってリハビリ」とは,お散歩リハビリやマッサージ中心の介入のことのようです.
私も新人時代,そのような介入になっていたことがあり反省しかありませんし,
思い当たる節がある読者の方もいるかもしれませんね…
「なんちゃってリハビリ」がそのように定義されているのに対して,
養成校の先生の言葉「なんちゃってPT」は,
プラットホームに寝させてマッサージして筋トレして起立訓練して歩行訓練して,…
どの患者さんにも同じ介入になっているPTのことを指していると考えています.
このような介入では,患者さんがなぜ身体機能が向上し退院することができたのか?
理論的に考えることはできませんよね.
「なんちゃってPT」になるな!
上記のお散歩,マッサージを全否定するつもりは毛頭ありません.
重要なことは,その介入は何を目的に行われているか?
なぜ屋外歩行をするのか?
なぜその部分のマッサージをするのか?
そこに専門職としての思考過程が含まれていれば,僕は問題ないと考えています.
例えば屋外歩行であれば,
骨密度が低い,運動習慣が少ない,気分の沈み込みがある,などの方がいれば屋外歩行を選択しますし,
訓練中の耐久性や状況判断,疲れた時の患者さんの歩容の変化など観察・評価するポイントもたくさんあります.
お散歩リハビリなんて言わせません.
リハビリ介入は常に「なぜこの介入を行うか?」「この介入でどのような変化があるか?」
に留意しなければいけません.
おわりに
「なんちゃってPT」という言葉について考えていきました.
なぜこの訓練をしてるんですか?
なぜ患者さんは良くなったんですか?
これを専門職として明確に考え,答えることができないと「なんちゃって」烙印を押されてしまいます.