理学療法士が転倒・骨折して感じたこと
はじめに
私事ですが自転車で走行中に滑って転倒してしまい,片腕を骨折してしまいました.
「まさか自分がこんなことになるとは,…」
片腕が使えず,仕事も休職するしかなく大変みっともない思いをしています.
それと同時に,この経験をして理学療法士として感じたことがあったのでまとめてみたいと思います.
転倒恐怖感は本当にある!
読者の皆様は「転倒恐怖感」という言葉を知っているでしょうか?
転倒恐怖感とは,その言葉の通り「自身の転倒に対する恐怖感がある」という意味です.
転倒恐怖感がある高齢者は要介護の発生リスクが増大することが報告されており,
最悪なパターンは転倒を恐れるあまりに身体活動量が低下してしまい,身体機能が衰える転倒後症候群に陥ることです.
今回,私は自転車走行中の転倒でしたが,もう一度同じ自転車で走行することに若干抵抗があります.
これはもう「転倒恐怖感」です.
使っている自転車はミニベロバイクといってサドルが高くなりますので,重心の位置が高くなります.
今回の転倒は頭から前に倒れそうになって片腕の防御反応が出たものでした.
これを機に,低重心で支持基底面の広い(タイヤが大きい)ママチャリに替えようかな,と思ってます.
(ミニベロバイクが悪い,と言う意味ではありません!)
この発想って今まで何もなしで歩いていたけど,骨折しちゃったから安全のためにこれから杖を使って歩こう!
これと一緒ですよね(笑)
アラサーの転倒でも転倒恐怖感はあります!
身体機能の低下のある高齢者ではなおさらなのかもしれません.
この経験を臨床でどう活かす?
臨床で私は,どの患者さんでもFalls Efficacy Scale(FES)を聴取しています.
「どれくらい転ばない自信があるのか」を各項目ごとに聞いていくものです.
今まではそのアンケート通りに実施していました.
このアンケートに追加して,環境設定をした上での「転ばない自信」を聴取してもいいのかなと感じています.
杖を使った場合,歩行車を使った場合,手すりを設置した場合,福祉用具を使った場合…
「転ばない自信」をつけるためにどう対策すべきか?
セラピストからみた客観的指標
検査・評価からみた数値的指標
これらの指標だけではなく患者さん本人の主観的指標にももっともっと拘ろう,と感じました.
おわりに
理学療法士が転倒・骨折して感じたことについてお話してきました.
アラサーでも転倒すれば「転倒恐怖感」はあります.
身体機能が低い高齢者ではなおさらなのかもしれません.
僕らのリハビリテーションでは,身体機能を上げ数値的指標を高めることも重要ですが,
患者さん本人の主観的指標にももっと拘るべきです.