リハビリは薬だ!
はじめに
学生時代,リハビリテーション科医の先生の講義が通年ありました.
その講義の中で印象に残っている言葉があって,
それがタイトルの「リハビリは薬だ!」です.
当時はあまり理解できてなかったですが,経験年数が経つにつれてこの言葉の意味を実感しています.
今回の記事では,この言葉から運動処方について考えていきます.
リハビリは薬だ!
リハビリで行う運動が患者さん,利用者さんにいい影響を与えて
基本動作や応用動作能力が向上することは皆さんよく経験することでしょう.
しかし,リハビリでの運動が誤ったもの,もしくは患者さんにマッチしないものであれば
それは悪影響を与え,毒となるでしょう.
薬に主作用と副作用があるように
リハビリにも主作用と副作用があります.
薬剤師さんがお薬の知識が豊富であるのと同様に,
私達,セラピストは運動処方をする以上,その運動の主作用と副作用について理解しておかなければいけません.
用法と用量を考える
薬には用法と用量があります.
飲み方とどれくらい飲むか?ですね!
薬剤師さんに薬を説明をしてもらう時に「朝昼夜1錠ずつ飲んでくださいね」
このような説明を受ける方が多いと思います.
リハビリで行う運動も同じで,
運動の方法と運動の頻度を説明する必要があります.
「スクワット動作」を例に挙げると,
股関節の屈曲を強調するか,膝関節の屈曲を強調するかでターゲットとしている筋肉が違います.
また,運動の回数についても患者さんの体力や関節への負荷などを考慮して調整をしなければいけません.
薬を飲みすぎたら副作用が出るように
身体に良かれと思ってやっている運動もやりすぎると副作用が出てしまいます.
主作用と副作用を考える
運動を処方する時,主作用と副作用を頭に入れておかなければいけません.
先程の「スクワット」を例に挙げると,
膝関節の屈曲を強調させた場合は,膝関節伸展筋を活動的に使いますので
主作用は膝関節伸展筋の筋力アップです.
一方で,膝関節への負担を増加させるという副作用があるので注意しなければいけません.
また,リハビリで行う運動は患者さんが苦手とする動作が多いかと思います.
患者さん達は巧みに身体を使って,主作用で得たい反応とは別の動きをしてくるケースが多いです.
そのため,主作用である「得たい反応」を触診で確かめながら運動を行うことが重要だと考えています.
おわりに
「リハビリは薬だ!」について考えていきました.
身体に良かれと思ってやっているリハビリも使い方を間違えれば毒になります.
リハビリの用法・用量を守る
運動の主作用と副作用を頭に入れて「得たい反応」を明確にすることが我々セラピストに必須なんじゃないでしょうか?